3 walls in Fukuroi
袋井の三壁
住宅街にある医院の敷地内に計画された住宅。都市との距離感を調整する、フィルターのような働きをもつ庭をつくることを考えた。
ここで考えられた庭とは、都市に対して閉じた状態から、開放的な状態にまで、その開放性がコントロールできるというもので、住宅はこの庭を介して都市に接している。建て替えが進行中で、将来的な周囲の状況が予測出来ない住宅街において、都市への開き方を調整出来ることは、周囲の変化への緩やかな適応が可能になる。また、暮らしの中で、都市に対して開きたい状況と閉じたい状況は季節や、日や、時間によって常に変化していくものであり、そのような暮らしの変化にも庭を介して順応することができる。
3枚の壁を立て、その壁の間にできる2つの空間のうちのひとつを住宅、もうひとつを全て庭とした。壁に挟まれた閉じた庭は、壁の短手側の窓を開けることで都市と直接接続し、開放的な庭へと変化する。
中庭のようでもあり、前庭のようでもあるこの庭の変化は、室内からの風景を大きく変え、様々な質の気持ち良さが選択できる。庭の地面には白い砂利が敷かれ、日本の伝統建築のように、下からの拡散光が室内を包み、穏やかな明るさが実現している。また、砂利の大きさを敷き分けることで、限られた広さの庭の、パースペクティブをほんの少し調整している。
変化に富んだ庭を介して都市と接続することによって、都市と暮らしの関係がより豊かになることを期待している。
用途 | 住宅 |
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所在地 | 静岡県袋井市 |
WEB | architecturephoto.net/日本 |
構造 | 木造 |
敷地面積 | 262.38m² |
建築面積 | 51.34m² |
延床面積 | 79.28m² |
設計期間 | 2014.5-2015.10 |
工期 | 2015.11-2016.6 |
構造設計 | 川口達次/イーエス工房 |
写真 | 長谷川健太 |