Floating house in Ogasa
小笠の浮き家
地方の田園地帯に建つ住宅である。 田園地帯とはいえ、住宅は街道沿いに密集して建ち並んでいて、その街道から旗竿状に奥まったところに敷地は位置している。 地方のゆとりある敷地と、一方で全方位に隣地の住宅が建ち並ぶ環境の中で、”周囲からのプライバシーの確保”と、”明るく開放的な空間”という一見相反する条件の住宅が望まれた。 そこで、木造の1階と2階の間に、鉄骨フレームを挿入し、壁の無い、全方位に開いた開口部を計画した。 その結果、アイレベルのプライバシーを確保しながらも、斜め上部の空へは全方位に視線が抜ける空間が現れた。
大きめの陸屋根の1階から、細い鉄骨の柱で支えられ、セットバックした切妻屋根の2階が浮いている構成は、現代建築のようにも、高床式の伝統的な建築のようにも見える。 そのアンバランスで多重的な現れ方が、古い日本家屋と近代的なメロン栽培用の温室が広がる、この地域独特の風景と馴染んでいるように思えた。古さと新しさ、閉じつつも開くこと、多様な質が同時に立ち現れることに、新たな建築の可能性を感じている。
用途 | 住宅 |
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所在地 | 静岡県菊川市 |
WEB | architecturephoto.net/日本 archdaily/アメリカ gooood/香港 designboom/イタリア ibanana/中国 thisispaper/ポーランド aeccafe/アメリカ dezeen/イギリス divisare/イタリア architonic/スイス ignant/ドイツ |
構造 | 木造一部鉄骨造 |
敷地面積 | 651.81m² |
建築面積 | 92.74m² |
延床面積 | 119.65m² (1階79.49m² 2階40.16m²) |
設計期間 | 2013.7-2014.7 |
工期 | 2014.8-2015.2 |
構造設計 | 金子武史構造設計事務所 |
賞歴 | グッドデザイン賞2015 |
写真 | 太田拓実 |